アラスカ州寒冷障害へのガイドライン2003(2005改訂)

(12) 凍傷-3.現場での対応

【現場での対応】
最初に駆けつけた人/EMT-Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ/救急士/クリニック(大きな病院でない)・・・のために

評価と治療
A. 低体温症を想定し、低体温症を評価、低体温症があれば治療する。

B. 凍結部位は注意深く評価する。感覚が喪失していると、患者はその部位の軟部組織の障害に気づかなくなるからである。

C. バイタルサイン一通りと体温を確認する。

D. 凍傷部位の貴金属、衣類があれば、とりのぞく。

E. 最終破傷風予防接種日を含む、現病歴を確認する。

F. 凍傷の末梢が骨折している場合、抵抗が無いなら、まっすぐにするよう試みる。末梢循環を悪化させない方法で、骨折部を固定する。

G. 搬送予定の医療設備内で、凍結組織の加温が完遂できるかどうかを確認する。もし可能なら、凍結した部分をさらなる外傷や寒冷、衝撃から保護して、患者を搬送する。

H. 野外で凍結組織を加温する判断がされたなら、凍傷部位が壁面や底面に接しないような充分な大きさの容器に、温かい湯槽を準備する。湯温は37-39℃がよい。
一般的に凍傷患者は、疼痛緩和にオピアトを要求はしない。彼らは時に、オピアトでない疼痛の薬剤、抗不安剤を必要とする。もし可能なら、経口鎮痛剤(アセトアミノフェン、イブプロフェン、アスピリンなど)の内服を医師に個コンサルトする。アスピリンやイブプロフェンは、アラキドン酸カスケードをブロックし、結果を改善しうる。
外傷に伴うNFCIや凍傷は、著しい浮腫と強い疼痛を来しうる。これらの患者は、初期治療でオピアトを必要としうる。この例では、二次救命処置を行う人は、医師の署名のある規約やオンラインメディカルコントロールに従って、モルヒネや他の鎮痛剤投与をする。

  訳者による注釈:
     薬剤アレルギーがない限り、イブプロフェンの使用が現在は一般的。
     NFCI non freezing cold injury:0℃以上ではあるが寒冷湿潤下に長時間曝されることによって起る寒冷傷害

I. 加温中には、注ぎ足す温かいお湯が、用意されていなければならない。

J. 凍傷した部位の末梢端が赤く回復するまで、お湯を37-39℃に保ち、凍傷部位の周囲を優しく循環させる。

K. 加温後の疼痛は、生存組織の復温が成功したことを示す。

L. 加温後、凍結していた組織は温かい空気で乾燥させる。タオルでふいて乾かさない。

M. 深い凍傷を負っていた組織は、解凍後に水疱が発達し、チアノーゼ色が現れる。水疱は壊さないよう、外傷から保護されなければならない。

N. 凍傷に冒された指趾の間にはパッドをあて、やわらかく滅菌された被覆材でゆるく巻く。冒された部位に過度の圧がかかることを避ける。

O. 加温した指趾は、可能なら、心臓と同じ高さに位置するとよい。

P. 搬送中、加温した部分は、再凍結と他の外傷を避けて保護する。凍傷部位の周囲には、直接圧がかかることを防ぐための枠組みを作るとよい。

Q. 患者の生命危機、あるいは救助者の危険をのぞき、凍傷を負った足で歩かせてはならない。ひとたび凍傷した足が加温されたら、患者は歩行はできないものとする。

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